機内にのりこみました。
いきさきのルート案内です。
アラスカ上空を通ってアメリカ東海岸に向かいます。
以前、ポルトガル・リスボンの国際学会、Advanced Breast Cancer 2に発表しにいきました。そのときも末梢神経障害の発表で、圧迫と予防薬で臨床的に、統計学的に効果があるかもしれない、という内容でした。発表形式は、乳癌の末梢神経障害に対する対策ということで、支持療法のポスター発表でした。まだプレリミナリーなデータでしたし、今後どのように発展していくか、まったく予想できない状況で、まさに海のものともやまのものとも、といった段階でした。思い出深いのは、そのポスター発表の時のことでした。海外のポスター発表は、司会の先生が発表をしきって順々にまわっていくというスタイルではなく、とある時間帯に自分の発表ポスターの前にいて、まわってきた研究者の質問をうける、というものでした。そのときにまわってきた先生がとても体の大きい、白人のちょっとお年を召したころあいの風体で清潔感を感じさせる先生でした。しばらくじっとみていたと思ったら、これはほんとうのことか、どうして効果が発現されるのか?と子どもの目のような瞳でまっすぐに質問をしてくれました。嫌味のない、純粋に結果を咀嚼しようとする姿勢に美しさとやさしさとを感じさせる先生でした。通常、質問は、結構いいかたがきつく感じられたりして、とくに外国だとたどたどしい応対にがっかりさせてしまうことが多いのですが、このようなスマートな先生に質問されて、自然とうれしい気持ちになりました。どのような形であれ、しっかり吟味していただけるところで発表させていただいているので、その内容は、ほんとうに正しいことを追及してそのよい結果を普及する努力をすることが大事と再認識させていただきました。あの瞳に恥じないようにと思っています。
ボストン東海岸とヨーロッパ最西端リスボン、西から東から行きついて北半球一周することになります。今回もいいことがあるように...と祈りながらのフライトでした。